先日 WordPressの最新バージョン「5.7.2」が発表されました。
今回のアップデートはメール送信に使用されるプログラム「PHPMailer」の情弱性に対応したもので、5.71以前のバージョン全てのWordPressにアップデートが推奨されています。
しかし、少し待って下さい!
WordPressをアップデートすることでホームページが一部見れなくなってしまったり、最悪管理画面にも入れなくなるという事例が複数あります。
そこで今回はWordPressのアップデートの方法と、行う前の確認や準備すべきことをご紹介します。
※この記事は2021年5月時点での情報元に書かれています。WordPressの運用などは事前に確認を行い自己責任で行ってください。
目次
WordPressのバージョンについて
WordPressの最初のバージョンが出来たのは2003年。
最初はブログ生成のためだけの1ツールでしたが、日々バージョンアップが行われ現在では世界でシェアを占めるCMSへと成長しました。
バージョンアップが行われる度に、新しい機能や技術導入などが成され、また増えていくクラッキングの脅威に対抗するためのセキュリティを高めてきました。
今回の「5.7.2」のバージョンアップも近日発見された「PHPMailer」の情弱性を補うためのものになります。
現在のバージョンの確認方法
では現在自分の使っているWordPressのバージョンは何でしょうか?
確認方法をご紹介いたします。
一番簡単な方法はWordPressの管理画面で確認できます。
「ダッシュボード」の「概要」ボックスの下部に表記があります。

この場合バージョンは「4.9.18」です。
また最新バージョンではない場合、上部に以下のようなメッセージが表示されている場合があります。

バージョンアップを推奨していますが、何の準備も無しにアップデートするのは危険です。
バージョンアップに伴うリスク
WordPressのバージョンアップを行うことで新しい機能や技術の恩恵を受けることができます。
またプラグインに関しても日々アップデートされており、それらの動作環境としてWordPressの新しいバージョンが必要となります。
そして何より、今回のようにセキュリティの情弱性に対抗するためのアップデートは是非とも行いたいところです。
しかし、バージョンアップを行うことでホームページに不具合が起こることがあります。
特にWordPressの根幹にかかわる部分に不具合が起こると管理画面にさえログインできなくなり復旧が難しくなる場合も。
バージョンアップする前にリスクを理解し、後述の方法で事前に準備を行うなど慎重に対応するようにしましょう。
WordPressのアップデート方法
WordPressのバージョンアップ自体は非常に簡単です。
(簡単すぎるのでトラブルも頻発するのですが…)

①「ダッシュボード」の「概要」より「○.○.○に更新」ボタンをクリックしてください。

②更新画面より「今すぐ更新」ボタンをクリックします。

③問題が無ければバージョンアップが完了します
バージョンアップ前にすべきこと
上記のようにアップデートの作業自体は簡単で、問題が発生しなければスムーズに終わります。
しかし何かしら不具合が起こることも多々あります。
その場合すぐに復旧できるよう前もって準備を行うようにしましょう。
バージョンアップの内容を確認
今回のバージョンアップの「目的は何なのか」、「どのような仕様が追加されるのか」それらを事前に確認しておきましょう。
バージョンアップによって管理画面のレイアウトや仕様がガラリと変わることがあります。
過去には投稿機能に意図しない仕様変更がありました。
またバージョンによっては不具合を内包している場合もあるので、リリース後ネット上やSNSで評判を見た方が良いかもしれません。
アップデートされる仕様を鑑みてバージョンアップが必要かを検討するようにしましょう。
プラグインが対応しているか確認
WordPressバージョンアップによる不具合の原因に「プラグイン」との動作不良が多くあります。
今使用しているプラグインの対応バージョンはどのようになっているか、事前にリスト化しておけば不具合に対応しやすくなります。

左メニューから「プラグイン>インストール済みのプラグイン」を選択することで、現在インストールされているプラグイン一覧が表示されます。
またバージョンアップの直前でプラグインを全て「無効化」し、バージョンアップ後順番に「有効化」することで不具合の原因となるプラグインの特定が容易になります。
バックアップをとる
何か問題があった際にバージョンアップ前にすぐに戻せるようにバックアップをとりましょう。
WordPress環境のデータに関しては以前ご紹介した「BackWPup」プラグインなどを使用することでバックアップできます。
もしものためのバックアップ! WPプラグインできるSEO対策 vol.8「BackWPup」
WordPressの各バージョンに関しては以下のページでアーカイブされています。
現在使用しているWordPressのバージョンをダウンロードして控えておきましょう。
外部サイト : WordPress ダウンロード リリース
またXserverなどのレンタルサーバの場合、自動的にとられているバックアップデータから復旧する方法もあります。
外部サイト : Xserver 自動バックアップからのデータ復元
テスト環境で動作確認を行う
もっと慎重に行いたい場合「テスト環境」を作成して事前に動作確認を行うことをお奨めいたします。
現状のホームページをコピーしてテスト環境に移管することによって、事前にバージョンアップのシュミレーションをすることが出来ます。
バージョンアップしたことにより不具合があった場合、事前に原因と解決方法を知ることで本環境でのアップデートがよりスムーズかつ確実になります。
ただ注意点としてテスト環境をネット上に公開しないようにしましょう。
ネット上で誰でも見れる状態だと、ユーザーの混乱を招き、SEOにも悪影響が出る可能性があります。
「Basic認証」や「noindex」タグを設定することで通常ユーザーの目に触れないようにしましょう。
WordPressなら以下の方法で全てのページに「noindex」設定ができます。
※必ず「テスト環境」のみに行ってください。

左メニューから「設定>表示設定」画面で「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れることで「noindex」が全てのページに設定されます。
ユーザーに事前に周知する

上記のように事前準備を行いバージョンアップを行っても不具合が起こった場合、
復旧までホームページが見れなくなってしまう可能性があります。
サイトダウンによってユーザーに迷惑がかからないように、事前に「お知らせ」などで告知を行っても良いかもしれません。
またバージョンアップの作業を行う時間も、アクセスが少ないタイミングで行えるように計画すれば尚、影響は小さく済みます。
WordPressのバージョンアップとの付き合い方
WordPressの最新バージョン「5.7.2」はセキュリティの情弱性を補うためのものという事もあり、強くバージョンアップが推奨されています。
しかしバージョンアップによってトラブルが起こることも多々あり、また上記のように多くの準備と対応が必要です。
繰り返しになりますがWordPressのバージョンアップは慎重に行って下さい。
S&EパートナーズでもWordPressのバージョンアップが原因のご相談を多くいただいています。
古くから運用しているどうしてもバージョンアップが難しい場合があります。
そんな場合ホームページ自体を根本からリニューアルすることも検討してもいいかもしれません。
S&EパートナーズではWordPressの運用やリニューアルに関しての施策をご提案しています。気になる方はお気軽にお問い合わせくださいませ。