先端設備導入計画

中小企業の設備投資支援のパンフレット
パンフレット表

先端設備導入計画とは、企業が先端技術を活用し、競争力を強化するための計画のことです。これまでの製造業では、人手による生産が主流でしたが、最近では機械による自動化が進んでいます。また、先端技術の導入によって、省エネルギーや環境保護などの面でも大きなメリットがあります。そのため、企業が将来にわたって競争力を維持するためには、先端技術を導入することが必要であり、導入しようとする企業を後方支援するのが本計画となります。また本認定を受けることで、他の補助金の優先優遇や加点以外にも様々な支援や優遇措置が受けられます。

先端設備等導入計画は、地方自治体が事業計画を認定、相談先探しが必要となります

相談している二人

「先端設備等導入計画」に関しては、生産性向上特別措置法で規定されています。設備投資を活用して労働生産効率の向上をはかる事業計画を中小企業が策定し、地方自治体が認定するプロセスになります。昨今は、ビッグデータや人工知能の活用により、ICT分野は物凄い勢いで技術革新が進行中です。そのことに応じて、産業構造又は競争環境も遷り変わっており、中小企業も対応を迫られているわけです。

政府は、生産効率革命を達成させることを目標に2020年度迄を「生産性革命・集中投資期間」に設定しました。それらの一環とし定められたというのが「先端設備等導入計画」になります。計画の認定を受けると、金融支援を受けることができたり、補助金の上限額がアップしたりするなど、優遇措置を受けることができる有利性が存在します。それらの他にも、導入した設備の固定資産税が免税されることもあります。
申請に於きましては、公認会計士や税理士が登録している「認定経営革新等支援機関」(以下、「認定支援機関」)の確認書が必須です。
計画認定を比較検討する折には、相談先の認定支援機関を探し出すと言う事から始めてください。

先端設備等導入計画は、老朽化してしまった設備、生産性向上の障壁に大いに力を発揮してくれる制度です

先端設備等導入

2019年まで、中小企業の業況はおしなべて回復傾向にございました。反面、労働生産性は上昇傾向にあるとは言い難く、大企業と比較しての差も拡大傾向にあるといえます。一般的に考えて、中小企業が保持している設備は老朽化が進行している傾向が強い故に、生産性に影響が出る一因となっていると指摘されています。
その為、労働生産性の改善を目的として中小の会社等が先端設備といわれるものを採用するシーンで、補助金関連の優遇措置に加えて税制支援など諸々メリットを受益することができるようにし、設備更新を促進する事が制度の趣旨というものになります。尚、設備の取得は「先端設備等導入計画」の認定後から実施すべきことが条件の1つになります。

先端設備等導入計画の認定の条件は市区町村の計画と適合するのが必要です

先端設備

計画認定の前提条件として、中小企業者が、1.一定期間内に、2.労働生産性を、3.一定程度向上させるため、4.先端設備等を導入する計画を策定し
その内容が新しく採用する設備が所在する市区町村の「導入促進基本計画」に適合する事があげられます。

1の「一定期間」とは、3年間、4年間或いは5年間で、市区町村が作り出す導入促進基本計画で決められた期間のことを指します。

2の「労働生産性」は、(営業利益+人件費+減価償却費)/労働投入量 で導き出します。労働投入量は、労働者数とか、労働者数×1人当たりの年間就業時間のいずれかで割り出します。

3の「一定程度向上」と言いますのは、直近の事業年度末と見比べてみて労働生産性を年平均3%以上改善することを表しています。

4の「先端設備等」と言いますのは、労働生産性の改善に必要不可欠な生産、販売活動等に利用される設備の中に於いて、機械装置、測定工具及び検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェアと言われています。
市区町村が決定する導入促進基本計画によって、自治体の中においては異なるケースがあります。

冒頭の場合ネジ製造機器としましたが、条件に合うのならば、製品量産設備や市販用の券売機等、幅広い機材が対象になります。

先端設備等導入計画は施設の固定資産税の軽減措置においても有利です

貯金箱

税制支援を受けるには、認定された計画を基準にして設備を取得しなければいけないのです。
中小事業者等が、適用期間内に計画にもとづいてそれに見合った設備を新規取得したケースでは、設備の固定資産税の課税標準が3年間に亘り軽減されます。市町村が決定した割合に左右されますが、ゼロ~1/2の範囲内で軽減されます。
この税制支援を受けることができる中小事業者等と言われているのは、資本金若しくは出資金の額が1億円以下の会社組織、資本金または出資金を保有しない法人の中に於いて常時使用する従業員数が1,000人以下の会社組織、常時使用する従業員数が1,000人以下の個人などを指し示します。
資本関係如何の制限が伴う故に、認定支援機関に前もって確認しましょう。適用期間は、2021年3月31日に至る迄の期間と発表されています。
一定の設備においては、決められた期間内に販売されたモデルで、生産効率やエネルギー効率等生産性の改善に資する基準が旧モデル比で年平均1%以上上昇傾向にある、ことが必須条件です。
最新モデルじゃなくても構わないのですが、新品のみが対象となっていて、中古資産は適応外ということです。設備の種類毎に最低販売価格や販売開時期が決められているため、認定支援機関に事前確認した時に、導入する設備に決定すると良いでしょう。販売開始時期と生産性向上指標に適う設備だという事の工業会証明書も添付が必要不可欠です。これについてはメーカー等に発行の依頼をして受け取ります。

先端設備等導入計画は国の手引きを参考に

マニュアル

中小企業者は、「先端設備等導入計画」の実行にあたって、民間金融機関より融資を受ける時には、 信用保証協会による信用保証の中に於きまして、普通保険等とは別枠としての追加保証を受けることができます。
また、計画の認定を受け取った場合、一部の補助金上限額の上昇などの優遇措置を受けることができます。全容は毎年変化するため、詳細は認定支援機関にお確かめください。
提出期限が決められているため、設備導入の計画が存在しているケースでは、認定支援機関にお問合わせしてみると賢明でしょう。中小企業庁が作成した「先端設備等導入計画 策定の手引き」もご参照ください。

まとめ

先端技術は常に進歩しており、今後もより高度な技術が開発されていくことが予想されます。また、環境問題や人手不足など、社会・経済情勢の変化によって、より先端技術の導入が求められることがあるかもしれません。それらを考慮して、今後の展望を考えることは中長期の経営においても非常に大事であることからこれから特にフォーカスされる計画であると思います。また、具体的な支援策については、国や地方自治体によって異なるため、詳細な情報は各自治体や省庁に問い合わせることをおすすめします。
計画の提出に関し、ご興味やご質問のお有りの方はぜひお気軽に当社までお問い合わせくださいませ。