
インターネットが世界中に普及した現在、ただ単純にモノを仕入れ、利益を乗せて販売し、企業が継続的に経営をしていくための利益を恒久的に出し続けるのは不可能な時代に入ったと思います。
中小企業が今後も未来において存続していけるかどうかは、自社が安定して存続し続けるだけの利益をそれなりに乗せた状態で商品やサービスを提供しても買ってもらえることが重要になってきます。
そのためには、その事業が社会にとって必要なものなのか?、また企業独自の付加価値の存在を認識し、それを消費者にアピールした上で納得してもらえているか?が必要です。
この付加価値を概念化し、消費者にアピールするための作業として、当社は早くから「ブランディング」を主要業務として力を入れて行ってまいりました。
他の会社の魅力や欠点はよくわかっても、意外に自社の魅力や欠点は分からなかったりするものです。
第三者が介入して、第三者の目で自社の魅力や欠点を再認識して、その上で今後必要な施策に落とし込みます。
目次
そもそもブランディングとは何なのか?
そもそもブランディングとは、企業や商品の価値を高め、他社との差別化を図るための一連の活動を指します。ブランドは、消費者に特定のイメージや信頼感を与えるものであり、その企業や商品やサービスが市場で地域でどのように認知されるかを決定づけます。もっとブランディングをシンプルに考えていくと、例えば、新しい美容室を探している人がいて、その人が知り合いの第三者に「どこかいい美容室知ってる?」と聞いた時、質問された第三者が「ああ、あそこの美容室は技術がすごいと評判よ」とか「腕もいいけどお値打ちな金額設定よ」とか肯定的なコメントを述べたとして、そのコメントに対し自分自身も「あそこの美容室はいい美容室なんだなぁ」と無意識に、潜在的に思ってもらうようにする流れだと思っていただければと思います。
世の中でも、特に何もしていなくても可愛がられやすい人、また逆によく誤解される人なんかもいたりしますよね。
結局「ブランディング」とは、第三者が抱くイメージの話であり、地域や市場の潜在的お客様に、どのように好意的に思われるか?が勝負だということです。
ブランディングと集客の関係性について

ブランディングを行う際には、自社の集客をどのように向上させるかを常に念頭に置いておくことが重要です。ブランドとは単なるロゴやキャッチフレーズではなく、企業の価値観や姿勢、提供するサービスの質など、企業全体の印象を形成するものです。このブランドの構築が成功すれば、見込み客が企業を選ぶ理由が明確になり、結果として集客にも良い影響を与えます。
1. ブランディングの目的と集客への影響
ブランディングの目的の一つは、企業の独自性を明確にし、ターゲット顧客に強い印象を与えることです。市場には多くの競合が存在するため、単に商品やサービスを提供するだけではなく、「なぜその企業を選ぶべきか」を伝えることが不可欠です。例えば、
- 高品質な商品・サービスを提供している
- 独自のコンセプトや理念を持っている
- 顧客へのサポート体制が充実している
といったポイントを強調することで、ターゲット層に響きやすくなります。
また、強いブランドを持つ企業は、口コミや紹介が増えやすく、自然と新規顧客の獲得につながります。顧客がブランドに対して信頼を抱くことで、リピート率の向上やロイヤルカスタマーの育成にも寄与します。
2. ブランドが集客に直結する理由
ブランドが確立されていると、集客活動の効率が大幅に向上します。その理由は以下の通りです。
①認知度が向上する
企業や商品・サービスの名前が広まることで、見込み顧客が興味を持ちやすくなります。例えば、誰もが知る有名ブランドの商品は、広告を見ただけで信頼感を抱くことが多いのと同じです。
②競合との差別化が明確になる
競合が多い市場では、価格競争に陥ることもあります。しかし、ブランドがしっかりしていると、価格以外の部分(品質、デザイン、サービスなど)で勝負できるため、集客の幅が広がります。
③広告・プロモーションの効果が高まる
しっかりとしたブランドイメージがあると、広告やSNSでの発信がより強い影響を持ちます。同じ広告を出した場合でも、ブランド認知度がある企業の方がクリック率や問い合わせ数が多くなる傾向があります。
④リピーターが増え、安定した収益につながる
一度ブランドに対して好印象を持った顧客は、継続して利用する可能性が高くなります。また、リピーターは新規顧客よりもマーケティングコストがかからないため、効率的な集客が可能になります。
3. ブランディングを活用した集客戦略
ブランディングを意識した集客を行うためには、以下のようなポイントを押さえることが重要です。
(1) 一貫したメッセージを発信する
ブランドのメッセージがブレてしまうと、顧客の信頼を得にくくなります。例えば、公式サイトやSNS、広告などで使用するトーンやデザイン、コピーを統一することで、ブランドイメージが強化されます。
(2) 顧客体験を重視する
ブランドは顧客との接点で形成されるため、商品の品質やサービスの提供方法、アフターケアなど、顧客が実際に感じる体験を重視することが大切です。例えば、問い合わせ対応のスピードやスタッフの対応の質がブランドイメージに直結する場合もあります。
(3) SNSや口コミを活用する
今の時代、SNSや口コミの影響力は非常に大きいです。InstagramやX(旧Twitter)などでブランドの世界観を伝えたり、実際の顧客のレビューを活用したりすることで、信頼性の高い集客が可能になります。
(4) ストーリー性を持たせる
単なる商品やサービスの紹介ではなく、「なぜこの商品を作ったのか」「どんな課題を解決したいのか」といった背景を伝えることで、顧客の共感を得やすくなります。
以上より、集客を念頭においてブランディングイメージを作成する、固めることは、結局のところ、
・「認知度の向上」
・競合との差別化
・広告との効果向上
・リピーターの獲得
の視点から長期的な成功のためには欠かせないものであるため、常に集客を念頭においたブランディング戦略を組むことが重要であると考えます。
自社に合ったブランディングの必要性
ブランディングは、企業が市場での存在感を高め、競争力を維持するために欠かせないものです。ただし、単にブランドを作るだけではなく、自社に合ったブランディングを行うことが大切です。自社の強みや価値観を正しく伝え、ターゲットとなる顧客に響くブランド戦略を考えることで、より効果的に集客し、売上向上につなげることができますが、無理に他社の成功事例などを自社に組み込んだ場合、あまりにも企業の過去の振る舞い、働く人たちのスタンスなどが違い過ぎたりすると、加速的に客離れを起こす原因にもなりかねません。まさに自社にそぐわないブランディングをベースとしたマーケティング戦略を行ってしまうと、お金を失うのと同時に、さらにどんどん客離れを加速させてしまうという笑えない結果が出てしまうのです。
1. 自社に合ったブランディングとは?
市場には多くの競合があり、単に商品やサービスを提供するだけでは顧客の関心を引くことが難しくなっています。そのため、自社独自の強みを明確にし、他社との差別化を考えることが重要です。そのためにはまず、
自社の強みは何なのか?
を突き詰める必要があります。
例えば、
- 高品質な商品やサービスが強みなら、「品質の高さ」「信頼性」をアピール。
- 手頃な価格が強みなら、「コストパフォーマンスの良さ」を強調。
- 徹底的なアフターフォローが強みなら、「徹底的なアフターフォロー」「スタッフの熱意」などを強調。
- 独自のコンセプトを持つ企業なら、「オリジナリティ」「個性」を打ち出す。
などです。
これが取ってつけただけの強みであったり、他社の真似事であった場合、いずれブランディング戦略として投下した施策が、お客様の中で意識的か無意識に「イメージと合っていない」という判断をされ、顧客離れを起こしてしまいます。そうならないように自社の特長を生かしたブランディングを行うことで、ターゲットに刺さるブランドを作ることができます。
2. 自社に合ったブランディングが必要な理由
上でも少し触れましたが、ブランディングの方向性がしっかりしていないと、次のような問題が起こることがあります。
①ブランドの印象が薄くなる
企業のメッセージが統一されていないと、顧客に伝わりにくく、企業の強みがぼやけてしまいます。
②ターゲットが曖昧になる
どの層に向けたブランドなのか明確でないと、誰にも響かないブランドになってしまいます。
③競争力が弱くなる
差別化ができていないブランドは、他社と比較されやすく、価格競争に巻き込まれやすくなります。
④既存顧客も離反する
ブランドとしての企業のメッセージに一貫性が無いと、新規顧客だけが来ないのではなく、既存顧客も企業の意図が分からず離れがちになります。特に企業にとって大事なロイヤルユーザーから離れていくことが多いので、一気に会社が傾くということさえあり得ます。
3. 自社に合ったブランディングの進め方
1. 自社の強みを明確にする
まず初めに、自社の強みや特長を明確に把握することが必要です。これを行うことで、競合他社との差別化ポイントを明らかにし、市場での競争優位性を確立できます。具体的には、以下の要素を分析しましょう。
- 品質・・・・・製品やサービスの品質が他社と比べて優れている点は何か。
- 価格・・・・・価格設定が市場やターゲット顧客に適しているか。
- デザイン・・・・・製品やサービスのデザインが顧客にとって魅力的か。
- サポート体制・・・・・顧客サポートやアフターサービスが充実しているか。
- 歴史・・・・・どんなすばらしい企業でも、ここ数日~数カ月に約束されたサービスやモットーが守られていても、そこまでインパクトはありません。それが何十年と行われてきたのであれば、その歴史は十分に自社の強みとなります。
- スタッフ、従業員・・・・・サービスや商品に詳しいだけでなく、人間性にも優れたスタッフや従業員が働いている企業は、それだけで強みになり得ます。
これらの要素を総合的に評価し、自社の強みを明確に定義することで、ブランディングの基盤を築くことができます。
2. ターゲット顧客を決める
次に、ブランドのメッセージや価値を効果的に伝えるために、明確なターゲット顧客を設定することが重要です。すべての人に向けたブランドではなく、特定のターゲット層に焦点を当てることで、より深い共感と支持を得ることができます。ターゲット設定の際には、以下の要素を考慮しましょう。
- 年齢・・・・・ターゲットとする年齢層はどこか。
- 性別・・・・・主に男性、女性、またはその他の性別を対象としているか。
- 職業・・・・・ターゲット顧客の職業や業界は何か。
- ライフスタイル・・・・・顧客の生活習慣、趣味、価値観など。
これらの要素を組み合わせて、最適なターゲット顧客像を描くことで、ブランド戦略をより効果的に展開できます。
3. ブランドのストーリーを作る
ブランドの背景や創業の思い、製品やサービスの意義を物語として伝えることは、顧客の共感を得る上で非常に効果的です。人々はストーリーを通じて感情的なつながりを感じやすくなります。以下のポイントを考慮して、ブランドストーリーを構築しましょう。
- 創業の経緯・・・・・会社設立の背景や創業者のビジョン。
- ミッション・・・・・企業が社会や顧客に提供したい価値や使命。
- 製品・サービスの開発秘話・・・・・開発の過程や苦労話、こだわりなど。
- 顧客の成功事例・・・・・製品やサービスを利用した顧客の体験談。
これらの要素を組み合わせて、ブランドの独自性や価値観を伝えるストーリーを作成し、顧客との深いつながりを築きましょう。
4. ブランドのイメージを統一する
ブランドの視覚的および言語的な要素を一貫性を持って統一することは、顧客にとって覚えやすく、信頼感を醸成する上で重要です。以下の要素を統一しましょう。
- 色:ブランドを象徴するカラーパレット。
- ロゴ:ブランドのロゴデザインとその使用方法。
- フォント:公式な書体やタイポグラフィのスタイル。
- キャッチコピー:ブランドのメッセージやスローガン。
これらの要素をWebサイト、SNS、広告、パッケージなど、あらゆる顧客接点で一貫して使用することで、ブランドの認知度と信頼性を高めることができます。
5. 顧客との関係を大切にする
ブランディングの成功には、顧客との関係構築が不可欠です。特に、アフターサポートやフィードバックの収集を通じて、顧客の満足度を高め、信頼関係を築くことが重要です。これにより、顧客はブランドに対して親近感を抱き、長期的な関係を維持することができます。
- SNSでの対話・・・・・ソーシャルメディアを活用して、顧客からのコメントやメッセージに迅速かつ丁寧に対応する。
- イベントの開催・・・・・製品発表会、ワークショップ、セミナーなど、顧客が参加できるイベントを企画する。
- アフターサポート・・・・・購入後のサポートやフォローアップを丁寧に行い、顧客満足度を高める。
- フィードバックの収集と活用・・・・・「アンケート調査」「レビューの収集」「フィードバックの分析」などを行い、製品やサービスの改善点を特定します。
ブランディングされたHPを持った上でSEO・MEO対策

自社の商品やサービスで必要なキーワードで自社のホームページが検索上位にくる対策をSEO対策、グーグルマップ等の対策であるMEO対策の重要性が昨今取り沙汰されていますが、当社はあくまでブランディングされたHPを先にしっかりと持っていることが大事であると思います。消費者は様々な情報をつかみやすくなり、調べるということが当たり前になってきました。いくらSEOやMEOが完璧で自社のHPにたどり着いたとしても、肝心のHPの内容が残念であったり、古かったり、ピントがずれていたり、強みがはっきりしていなければ、嫌いになる人を増やしていると言っても過言ではありません。
まずはしっかりと自社の魅力は何か?、強みは何か?、モットーとしていることは何か?、サービスの範囲などきっちりとホームページに落とし込むことが大事だと当社は考えます。
景気にあまり左右されない経営体質を創るために

経営を行う以上、どうしても前もって予期しきれない様々な不特定多数の経済状況が時に発生し、それによって自社の業績は左右されてしまうことでしょう。
しかし事業を行うということは、何もしなければ固定費等の経費が掛かり続けるので、そもそもが日々倒産に向かっているとも言えなくありません。多くの中小企業は月内に掛かってくる固定費や変動費を上回る利益をいかにコンスタントに常々出し続けられるか?が存続の為に大事であることでしょう。
その点では今の事業が本当に人々に求められているものであり、その上で事業を回すという考え方「マネタイズ(社会実装)」や同時に「スケール化」を念頭に置き、油断することなく更なる適切な成長を望む必要があります。そのためには、どのような景気局面に当たったとしても冷静な方向性の判断ができるようにブランディングの方向性を早い段階ではっきりしておくということは非常に大事であると当社は考えます。
しっかりとしたブランディングの方向性を持ち、今後の経営に生かしたい、さらなる適切な成長を望みたいという方はぜひ一度当社にお問い合わせくださいませ。
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ブランディング視点を軸としたコンサルティング

業界の中でも特に「ブランディング」の視点に重きを置いた戦略組みを20年以上にも渡って行ってきた当社でございますが、様々な地域、様々な業種、様々な経営者や戦略責任者と…