概況
全国にゴミ処理業者・不用品回収業者・遺品整理業者は存在しているが、ゴミ処理には基本許認可が必要であり、またそのゴミの種類により複数に許認可が分けられている。大きな分類として一般廃棄物収集運搬許可証、産業廃棄物収集運搬許可証の2つに分けられる。一般廃棄物とは主に家庭から出る一般ごみであり、ゴミ収集を行っている企業は一般廃棄物収集運搬の許可を持っているということになる。それ以外の産業廃棄物に関しては産業廃棄物収集運搬許可証が必要になるということになる。
またその許可証がエリア指定されているので、許認可を持っていればそのエリアの業務を行うことはできるが、そのエリア外の業務はできない。
そして現在一般廃棄物収集運搬許可証、産業廃棄物収集運搬許可証共に中々新規で取得することが難しい許可証であり、許可を持つ企業は比較的事業は安定しやすい傾向にあると思われるが、地方の人が住んでいない一戸建ての建物内が放置されているなどで遺品整理問題が多く発生している。BtoBや地域内の許認可を盾にした仕事は安定的に強いが、大型ごみの回収・遺品整理や不用品回収の依頼を増やすためのホームページのSEOやブランディング、問い合わせしやすいようにするなどIT化が大幅に遅れており、新規のお客様をまだまだ取り逃がしている企業も多い。
対策
1,ブランディング・IT化が遅れているため、お問い合わせし損なっている新規の見込み客が自社に問い合わせをしてきてくれる環境をライバル企業に先んじて環境整備する。特にブランディングからホームページのビジュアルイメージや自社の強みを明確にしておく。
2,ゴミ処理以外にも、不用品回収・遺品整理など関連するキーワードと地域を結び付けて考えてSEO対策を立てる。
3,問い合わせ方法が電話とメールだけだと新規のお客様の腰が引けやすい。LINE公式アカウントを設置し、24時間365日気軽に問い合わせできる環境を整える。また不用品回収に際し、どのような不用品なのか?についてLINEで画像を送ってもらうようにする。不用品の情報が分かりやすいので、お客様に的を射た見積を提示しやすくなる。
4,面倒にならないレベルでSNSを行う。基本ゴミ処理業者がコンスタントにSNSで情報発信しているのは稀である。しかし消費者がゴミ処理・不用品回収・遺品整理の依頼をしてくるのは定期的ではなく突然である。ここで元気に商売をやっています的な、生存情報を定期的にゆるいSNSで流していくと、ここ一番で問い合わせが来たり、紹介が生まれやすい。
展望
許認可があるため安定している事業と言えるが、ゴミ処理場に置くことができない大型ゴミや不用品回収などの回収の問い合わせを受ける体制は整っていないので、これをお客様にできる限りストレスを与えることなく受ける体制と、そのようなゴミも引き受けますよ!というメッセージを常日頃から発信する姿勢が必要である。
必要なもの
接客の心得(接客サービス)
ホームページのリニューアル
エリアSEO対策
MEO対策
店前視認性の改善
情報発信のためのSNS対策
利用可能な補助金
●事業再構築補助金
●小規模事業者持続化補助金
●ものづくり補助金
●IT補助金
総論
多くの地域の潜在顧客は、その会社が個別でゴミ処理・不用品回収・遺品整理を行っているということさえ知らない。自社が地域のゴミ回収が100%の一般廃棄物収集運搬業者と定義するのか、それを含めたゴミ全般の回収業者でありサービス業であると定義するかで未来の成長や規模は変わる。消費者視点から逆算すると、今後多くの業者がサービス業であるという意識が求められている事業体であると言える。