自社の内部業務が担当者しかわからなかったり、付帯する業務がやむを得ず複雑化しているためものすごく時間が掛かっていたり、多くの人や時間を要している割にはアウトプットはそんなに大したことが無かったりして、やり方によってもっと効率的にうまくやれないものか?と考える方はいらっしゃると思います。また一般的なオフィスソフト等で作業を行っていると、思わぬところでヒューマンエラーを起こす可能性も多分に出てきます。
以下にご紹介する業務は、エクセルをベースにした管理業務の限界より当社にオーダーいただいたシステム開発の一例です。
◆クライアントの状況
全国に多くの支店を持つ企業で、自社で研修施設を保有。各支店が定期的に研修や勉強会やセミナーを開催する際に研修施設の会場の予約や参加者や宿泊者の情報を支店の研修担当者がまとめて本部の事務局に情報を送って研修会場や食事・宿泊の手配や予約を行うが、相当な手間とやり取りが掛かる上に、同じ情報を二重に入力することが発生していたり、ナレッジの共有が難しく担当者の退職等で一気に現場が混乱するなどがかつて起きた経験からシステム化を目指した。
◆要求された要件
・ログインする側に区分を行い、支店の研修責任者の画面と管理する事務局側の画面の表示内容を変える。
・会場の予約を簡単に行えるようにしたい。
・問い合わせから仮予約・本予約などステータス変更をできるようにし、例えば本予約後は情報を変更できない等ステータスによって入力情報を自動制御できるようにしたい。
・会場別に備品の予約ができるようにしたい。
・研修番号を自動で発行する。
・参加者や宿泊者の情報、食事のアレルギーの有無をまとめたアンケートアプリがまとめたCSVデータを取り込んでデータをシステムに反映できるようにしたい。
・宿泊者の前泊と後泊を加味した上でシングルやツイン、喫煙・禁煙等の要望を加味し宿泊者を自動的に部屋を割り振るようにしてほしい。
・清掃をする会場や宿泊部屋を一目瞭然で分かるようにしてほしい。
◆主な機能
1,各支店の担当者が個別でログインし、利用したい日時の研修施設の空き具合を確認の上新規申し込みができる。予約時間の開始から終了時間は時間枠をクリックして終了時間まで伸ばせば可能。入力の手間は無い。会場を変える場合、ドラック&ドロップで変更可能。なお月別、週別の表示が可能。
2,予約状況ページを作成し、予約状況が一覧で見れる。
3,研修番号を押すと申込情報画面が展開し詳細が確認できる。事務局の階層でログインした場合「ステータス更新」ボタンが登場し、状況により「仮予約」「本予約」に変更できる。またステータスをその後キャンセルにすることも可能。
4,「会場」ボタンを設置し、利用会場の状況の一覧や詳細が見える。備品設定の変更も可能。
5,「備品」ボタンを設置し、使用備品の貸し出し状況の一覧を確認できる。
6,「参加者」ボタンを設置し、研修参加者のリストと詳細情報を見ることができる。なおエクセルデータでまとめられた参加者リスト情報を一発で取り込むボタンを設置。
7,「宿泊」ボタンを設置し、宿泊者の詳細情報を一覧で見ることができる。また「編集」ボタンを押すと「宿泊設定」ページが開き、宿泊部屋を①シングル(禁煙)②シングル(喫煙)③ツイン(禁煙)④ツイン(喫煙)等自動で部屋を振り分けることができる。
8,「食事」ボタンを設置し、研修期間内の食事の情報を入力&一覧確認することができる。アレルギー情報を記載し、食事提供会社に共有することができる。
9,清掃予定表を作成し、清掃予定スケジュールが自動で分かる
◆制作後記
多くの支店からの情報を事務局数人でエクセルをベースに管理作業をされている状態から大幅に作業量が減ったのと同時に、予約会場の取り間違いや宿泊日の間違い、食事の発注ミスなどヒューマンエラーの恐怖や不安が払しょくされたことと思います。また宿泊者が泊まる部屋等も一人一人振り分けると時間が掛かりますが、自動で振り分けることが可能になったため、大勢での研修による宿泊部屋割りも楽になったと思います。研修状況が各担当者でいつでも同じ画面で一元管理されている状態で確認できるため、念のための確認もスムーズに行えるようになったことと思います。システムを入れる前と入れた後のオペレーション業務工数を計算したところ、約70%低減されました。