コンテンツマーケティングが注目されている近年では、比較的に誰でも手を付けやすブログ型のオウンドメディアを運用し始める企業が増えてきましたね。
しかし、こういった企業の間で多いのが、今まで企業的なブログやコンテンツなんて作った事もないから「何を書けばいいのか?」「どんな記事をつくればいいのか?」と『そもそも論』の部分で困ってしまうということのようです。コンテンツマーケティングでは『誰が?』『どのような内容を?』『いつ?』『どんな頻度で?』作成するのかという事はとても重要な事です。実際にこういった会社内の決め事もなしにスタートしてしまい「誰かがやってくれるだろ。」「自分は忙しいし書く暇がない」などと、すぐに更新が止まってしまっているオウンドメディアは非常に多くあります。
オウンドメディアはターゲットは誰で、最終目標はどこに置いているのが非常に重要で、成功するにはペルソナの設定がうんぬんかんぬん…等といった事はいろいろな所で言われていますが、実際にはそこまでのレベルに達する前に折れてしまうなんてことは頻繁にあるのです。
そこで今回は、自社でオウンドメディア運営を考えた時に多くの会社が最初に躓いてしまう『オウンドメディアに何を書けばいいのか?』という事についてご紹介したいと思います。もちろん、上述したペルソナの設定やオウンドメディアの目標も絶対に必要な物ですが、まずはあなたの会社内でコンテンツを制作をする余裕があるのかをしっかりと考えたうえでオウンドメディアの運営をするのか決めた方が良いですよ。更新もされないオウンドメディアを自社の名前で放置してしまうと、逆に自社の信用を落としてしまう可能性もあります!
目次
コンテンツ制作で作るべき内容って?
コンテンツマーケティングにおけるオウンドメディア運営がなぜここまで盛り上がっているのだと思いますか?
コンテンツベースのオウンドメディアはそのメディアの特性上、検索エンジンからそのメディアに流入したユーザーをメディアの『ファン』化することが特徴です。そして、ファンとなったユーザーがリピーターとなってきてもらえば非常にロイヤリティの高い顧客となる可能性が高いのです。その為、近年では通販サイトはオウンドメディアと一緒に運営を始める事や、コーポレートサイト内にコンテンツ追加用のCMSを追加するなど、オウンドメディアの運営に乗り出したいと言う企業が後を絶たないのです。
しかし、基本的に抜け落ちている事は「コンテンツの作成には非常に多くの工数がかかり、良質なコンテンツを定期的にアップするのはとても難しい」という事です。例えば大手企業となれば資本力に物を言わせ運営することができるかもしれませんが、資本力のない中所企業やスタートアップ企業の場合はそうはいきませんよね。中小の場合では、記事やコンテンツの作成は内製化せざるを得ないという場合が多いのですが、この場合には以下の様な多くの問題が存在します。
- 社員のパソコンスキルがなく見栄えが悪い記事になる
- 通常業務と並行しなければならないので定期的なUPが難しい
- そもそも何を書けばいいのかわからない
特に、「何を書けばいいの?」という問題は最も重要ですね。最近では様々なメディアが乱立している状況でもありますので、単なる『まとめ記事』や内容の薄い『ライフハック系』の記事は読者も見飽きている可能性が高いです。
それでは『質の高い記事を定期的にUP』する為にはどうすればよいのかを考えてみましょう。これは『オウンドメディア』の基本に立ち返ってみれば意外とコンセプトは決めやすいものです。オウンドメディアを大きく分けると3つの種類に分かれるので、何をコンセプトにというのはこの基本に立ち返って決めてみましょう!
読者が役立つ・後で読みたくなる記事
まずはコンテンツを見た読者が『役に立った』や『勉強になった』と思う系の、いわゆるノウハウ、ライフハック、商品・サービス紹介等を元にコンテンツを制作する物です。因みに、現在あなたが読んでいるこの記事自体も『ノウハウ系』の記事ですのでこれに含まれます。
この種のコンテンツは自社のサービス説明やノウハウが多い為比較的コンテンツ制作も楽ですし、現在、オウンドメディアの主役とも言っていいほど多くのメディアが存在します。皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか?
この種の記事の特徴は、コンテンツ内に意図的にキーワードを埋め込むことで、検索エンジンからユーザーを誘導する以外にも『はてブ』等で備忘録代わりに拡散されたりすることも多く、長く記事の価値を保つことが可能です。
ただし、web上には同じような題材でメディアを運営している事も多く独自性は出しにくいのはデメリットですね。要は、特定の事に関する説明やノウハウなので、どこが書いたとしても内容自体は同じような物になってしまう為、メディア自体に『特定のファン』を生み出すことが非常に難しいのです。こういったコンテンツでメディア運営を考えている場合、あなたのターゲット層にロイヤリティーを感じてもらうには特色の出し方を考える必要がありますね。
ライフハック系メディアってどんなの?
・ギズモード・ジャパン(https://www.gizmodo.jp/)
・NATIONAL GEOGRAPHIC日本版(http://natgeo.nikkeibp.co.jp/)
・GIGAZINE(http://gigazine.net/)
読者が共感できる記事
これはどちらかというとブログ色の強い記事の作り方で、SNSなどで「バズる」事を狙って作るコンテンツです。もちろん普段は上の様なノウハウ系のコンテンツを配信しているサイト内で時々こういった記事を上げるという事でもいいでしょう。
『感動する話』や『良い話』を記事にして配信する目的は、基本的に人の感情に訴えかける事を目的としていますね。人の感情には大きなパワーがあり、近年のSNS慣れした人達は積極的に自分の感動を共有してもらおうとTwitterやFacebookなどへ拡散していきます。これが「バズる」と言われる動きで時には考えられないようなアクセスを一気に稼ぐこともあります。逆の感情で皆さんも良く聞く『炎上』『炎上商法』という物もあり、こちらも一気にアクセスを稼ぐ可能性はありますが、企業として行うにはリスクが高すぎなので絶対にやめましょう。
ここで覚えておいてほしいのは『感動』や『良い話』などの感情に訴えかける系のコンテンツはSNS等での爆発的な拡散力はありますが、検索エンジンからの自然検索による流入はあまり見込めない事と、長期間のコンテンツ価値の維持が難しいという事です。簡単に言うとコンテンツの賞味期限は短いという事です。
コンテンツ系のオウンドメディアの運営としてメインは『ノウハウ系の記事で長期的案検索流入を狙う』、所々で『感動系記事でSNS拡散』等といった使い方をする事はとても有効であると言えます。しかし感動系の記事は「文章で人の感情を動かす必要がある」という非常にハードルの高いもので、コンテンツ制作には非常に高いスキルが必要になります。社内の人員だけでは少し難しいものでもありますので、時には外部ライターに依頼するのも一つの手として持っておきましょう。
上記の様な事を書いておいてなんですが、個人的には企業オウンドメディアが『感動系』の記事を配信するのはあまり好きではありません。『感動系』記事はどうしても読み手の印象で決まる物で、SNSが発達した現在では本当の話でも『嘘記事』判定を受けてしまい炎上することが多くあるからです。記事の企画から制作、文章力等の要求が高い割にその労力に見合う結果が出る可能性が低い事と、前述の様な『炎上』のデメリットを考えると割に合わないんじゃないかなと思うのですよね。それでも当たった時の拡散力はすごいものなので自信がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?
読者が面白い・笑える記事
『面白い』や『驚き』というのは、ある程度どのような記事にも必要な要素ではあります。回りくどく固い文章校正のみで書かれた記事というのは、どこか論文でも読んでいるようで読者も読み疲れしてしまうと言った事も多くありますね。そこで1のようなノウハウ系記事でも『○○を使ってみた!』の様に少し遊び心を入れて読者も楽しみながら読めるコンテンツを作る工夫などをするオウンドメディアも登場していますね。
しかし、ここで言う『面白い・笑える記事』というのは少し意味合いが違い、『面白い』や『驚き』に特化してコンテンツを作成しているもので、有名な所では「ロケットニュース24」の様なwebメディアです。こういったコンテンツは企業がマーケティング目的で行う事は今まであまりありませんでしたが、近年ではそれこそ「何のために作ったの?」といった物や単純に企画や発想に嫉妬してしまうようなメディアも多く存在します。ただし気をつけなければいけないのは、こういったコンテンツが主体のメディアでは、ある特定のターゲット向けというよりは『万人向けコンテンツ』になりがちでコンバージョンにつなげる事が非常に難しくなるという事です。
会社のオウンドメディアとして運営する以上は、最終的に『売上げ』を上げる事が目的となります。オウンドメディアの運営は、上述の通りかなりの工数がある為、運営コストももちろんかかりますね。その為、いくら面白いコンテンツであってもそれがどのようなストーリー立てをすればコンバージョンにつながるのかという事はかなりの工夫が必要になります。
面白い系のメディア(目的が分からないものもあり)
・オモコロ(https://omocoro.jp/)
・SPAM MUSEUM(http://meiwaku.me/)
・すごいWEB(http://sugoiweb.nezihiko.com/index.html)
コンバージョンにつながる記事ってどんなの?
企業がオウンドメディアを運営する最終的な目的はほとんどの場合『売上げ』につなげる事ですね。オウンドメディア上では、そのメディアを運営している企業のポリシーや考え方、技術力を発信することでブランディング化し、顧客の信用・信頼を得る。そしてロイヤリティーの高い顧客に商品やサービスを紹介することでコンバージョンにつなげるのが基本です。
つまり、コンバージョンを目指したオウンドメディアで必要になる記事というのは、
- ターゲットの問題を気づかせる記事(共感) ⇒ ブランディング目的
- 顧客にとって役立つ情報(必要) ⇒ コンバージョン目的
この二つが最も重要なコンテンツです。
ここでひとつ例を挙げてみましょう。
弊社が協力してコンテンツ制作を運営している屋根屋さんのメディアでは、
ブランディング目的の記事
・雨漏り工事ってどんなことが必要なのか?
・今オススメの材料とその材料を使う事のメリット
・屋根工事や外壁工事に関する豆知識
ブコンバージョン目的の記事
・実際の施工事例と施工価格
・それぞれの症状による最適な工事やその工事費用
上記の様なコンテンツ構成で運営を進めています。簡単に言うと「屋根屋として知識がある」「しっかりとした工事をしそう」などの信用、将来的に自宅のリフォームを行う場合「この材料は良さそう」等の潜在ニーズの掘り起し、そこからコンバージョンにつなげると言ったイメージです。
オウンドメディアでコンバージョンにつながる記事づくりを行うには、目的を持ってどのようなストーリーでコンバージョンにつなげていくのか?又はどのようなストーリーならコンバージョンにつながるのかをしっかりと考えて進めましょう。
まとめ
今回はオウンドメディアの運用を始めたのはいいものの「何を書けばいいのかわからない?」といった事に陥らない為に、どのようなコンテンツを作成すればいいのかをご紹介しました。上述の通り、オウンドメディアで発信するコンテンツは大きく分けると3つに分類することができます。
社内でコンテンツ制作を進める場合には、多くの場合「ネタがない…」「何を書けば良いのかわからない…」といった声が現場から上がってきます。その為、自社で運営するオウンドメディアがどのようなタイプのコンテンツを主体とするのかそのコンセプトは決めてあげる事が非常に重要になってきます。コンセプトとターゲットが決まってしまえばコンテンツのネタというのは意外と多く出てくるものですので、オウンドメディアのスタート前にコンセプトはしっかりと決めるようにしましょう。
最後に注意してほしい事は、オウンメディア上には『批判的なコンテンツ』『否定のコンテンツ』というのはあまりオススメできないという事です。これは、批判的なコンテンツというのはSNSでも拡散されることも少ないですし、何よりネガティブな情報は読者もあまり良い気がしません。特に根拠のない批判記事などの場合は最悪の場合『炎上』してしまい自社の評価を下げる結果になってしまう場合もあります。批判的な記事は意外と書きやすいという面がある為、時々いろいろなメディアでも見かけますが出来るだけポジティブな方向のコンテンツ作成を進めるように心がけましょう。